2020年11月12日木曜日

人権講演会を行いました

 11月12日(木)6・7限目にお二人の講師の先生をお招きして、人権講演会を行いました。講演タイトルは「性の多様性について知る~普通ってなんだろう~」です。LGBTの当事者である講師の先生方から、直接お話を聞く貴重な機会となりました。
 講演は「普通ってなんだろう?」という問いから始まりました。「普通=多数派」を指しているけれど、「いつどんな時でも少数派はいる」「少数派はいないのではなく見えないだけ」ということをまず教えていただきました。そして性は大きく4つ「こころの性(性自認)」「からだの性(生物学的)」「社会的な性(性表現)」「好きになる性(性的指向)」に分類できることも教えていただきました。そして、こころの性とからだの性が一致していないトランスジェンダー(T)の人がいること(一致している人はシスジェンダーと言うそうです)、好きになる性についても、異性が好きな人(ヘテロセクシュアル)、同性が好きなレズビアン(L)・ゲイ(G)の人、異性も同性も好きなバイセクシャル(B)の人、決めたくない・よくわからない(Q)の人、恋愛しない人もいる、ということも教わりました。この辺りまでのお話は、中学校までの人権教育で聞いたことがある人が多かったと思います。  その後、講師のお二人の実体験をお聞きする時間がありました。ご自身がLGBTと気づいた時のお話、学生時代の過ごし方、今の日常生活について、カミングアウトについて。当事者の方から直接、このようなお話を聞くことは滅多にないことで、皆とても集中してお話を聞いていたように思います。お二人から「LGBTにも性以外のアイデンティティがあり、違う一面から見たら違う印象を持つかもしれない」「全部を理解し合えなくても、共に生きられる」というメッセージがありました。講演後に生徒の皆さんに書いてもらった感想文から、この部分に共感した人が多くいたことが分かります。そのことを証明するような動画もご紹介いただき、興味深く見ることができました。
 そして講演の最後は「人は色々なアイデンティティを持っており、違う所や理解できない部分があって当然。拒絶するのではなく、自分と違ったらまずは興味を持ってほしい」と締めくくられました。丁寧にわかりやすくお話いただいたおかげで、2時間が短く感じられる講演会でした。貴重なお話をありがとうございました。  講演後に書いてもらった生徒の皆さんの感想を少し紹介しておきます。今日の講演が、皆さんの今後の意識改革や行動変容につながることを願っています。(6組担任・人権担当)  【感想文より】 ・これからの社会で、LGBTという言葉をなくせるくらい、受け入れなじませることが一番大切だと思った。 ・Facebook(英語版)に性別が58項目あるということも興味深かった。 ・以前に現代文の授業で「他者を理解すること」という学習をしたのだが、「相手を理解しようと努力してその場にいること自体が理解につながる」という文章が、今回の講演会を聞いている時に思い出された。 ・自分は中学の時にLGBTの友達がいて、どう接したらいいのか困っていた時もあったけど、お二人のお話を聞いて、LGBTという面からしかその人のことを見れていなかったから、そんなことになったのかなと思いました。LGBTは人のアイデンティティの1つなだけで、全部理解できなくても共に生きられると分かったので拒絶せず、その人のいろいろな面を見れるようにしたい。 ・今まで一番疑問に思っていた、どのようにカミングアウトするのか、その時の家族からの反応、どこまでの関係の人に言うのかが知れて良かった。 ・今日の話を聞いて、性の多様性ではなく、多様性というもう少し広い視野で聞くことができた。印象深かったことはビールのCMのことである。最初に話し合うことで、自分とは反対のことを考えている人でも仲良くできるということが証明できた気がして自分はうれしかった。 ・自分の性に違和感を感じ始めるのはどの位の年齢からが一番多いのか気になった。カミングアウトしていない人は、必要最小限だけ言ってる人もいると思うけど、何人かは言いにくい環境だったり、言えない環境だからしてない人もいるんじゃないかと思った。 ・心に残ったことは、少数派はいないのではなく、見えていないだけということです。このことはLGBTだけでなく様々なことにあてはまると思います。LGBTというのはさまざまな少数派のほんの一例であって、まだまだ困っている人がいるはず。

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